日本教育医学会の旧シンボルマーク


 森 基要(元日本教育医学会会長)

1、会名の変遷 
 
平田式体格体力判定研究会(昭和28年〜昭和31年)−日本教育医学研究会(昭和32年〜昭和53年)−日本教育医学(昭和54年〜現在)
 2、相関確率類楕円
 
昭和20年相関確率類楕円の理論樹立、これに基づき身長体重相関確率類楕円を作図して、体格綜合判定法を考案した。
 次いで体格体力綜合判定法に発展し、体格綜合判定器を作製に続いて、コンピューターによる体格体力判定法(理想的健康度判定法)が完成した。


図1


 図1は森が作図したもので、題目のように(全日本柔道選手権大会参加選手の身長体重相関確率類楕円)である。これは山下泰裕が9連覇を成し遂げた時のものであるから、このような類楕円は9葉あることになる。

 この図中の黒点が参加選手の体格(身長体重)である。特定の計算方法によって類楕円を作図、さらに特定の方法に従い分割線を描いて体格分類図となる。

 例えば3番の選手は、この集団では甚だ大きくて、甚だ肥えている判定され、同様にして15番の選手は、小さくて痩せているとなる。

3、極座標式体格把握法
図2
 
 図2は同心三重正円に分割線を入れて描かれたものを極座標という
図3
 
 
単に、その集団における体格分類を試みるには、前出の図1でことたりるが、図3のように体格を年度毎の変遷をたどろうとしたり、図4の極座標に打出された体格点は9年間の「1本勝」の勝者を図示しものである。
 これを1例だけ読み取ると、右上に体格点が比較的多数あるから、(一本勝の勝者は大きくて肥えている)と言える。

 
 図4

従って図4はスライド法と言い、この場合は勝者は敗者から、「どれくら」「どの方角に隔たっているかを知ることができる。
  4、機関紙の抄録

 創立年の昭和28年の第1回平田式体格体力判定法研究発表討論会は、当時で言う「ガリ版刷り」で研究発表法を用意した人もいたが、メモ程度で口頭発表を終えた人もいて、結局抄録は「幻」になった。
 第2回以降は、回を重ねるに従って「極座標式体格把握法」を用例とする研究発表が多発してきた。
 第2回から第8回の抄録には「極座標」の用例は、遠城寺宗徳会長の「教育医学の新発足」という巻頭言で教育医学の目標として生きてくる。
 それは昭和35年10月の「教育医学」第6巻第6号から「理想的健康体を目指して」と大書して、裏表紙と同じ図5のシンボルマークが載ることになった。


 図5

 シンボルマークに描かれている矢印の基点は(発育不良で痩型の体格)であるが、矢印の先は「理想的健康体」つまり(発育大で肥型)の学徒の姿を指している。
 これを「教育医学」で達成しようとするものである。


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